アンナ・カペラ 著

ナチュラルウェイー(ビリングズ・メソッドー)

ビリングズご夫妻からのメッセージ

10代の少年少女が大人になるためには、自分の受胎(受精)能力の成熟について知ることは有益です。この知識は、性的に成熟すれば自分も親になる可能性があることを理解し意識する助けになります。このような認識や自覚があれば、自分の受胎(受精)能力の素晴らしさと価値を大事にし、守りたくなるでしょう。このようにして、性行為によって傷つけられることなく、人間一人ひとりの尊厳にたいする尊敬と責任を基盤とする健康な友情も芽生えるのです。

また、自然な家族計画(出産計画)のためには、まず、受胎と性的な営みを正しく評価し、そして、受胎に至るプロセスを支配している自然の法則を理解することが必要です。

ビリングズ・メソッド(排卵法)は、生物学的なプロセスに逆らわないだけでなく、夫婦が一緒に自由な選択をすることが可能になり、夫と妻との尊厳を大切にするものです。一こうして、夫婦相互の愛を強め、また、二人の愛と受胎への忠実な一致において生命を得、受け入れられた子どもたちへの愛をも強めることになります。

はじめに

この本は、ビリングズ・メソッドに、より多くの方々が親しんでいただき、簡単にしかも科学的かつ正確に理解していただくようにと生まれました。特に、さまざまな文化の人々に受け入れていただくために、かなり難しい内容を平易な言葉で表わすよう心掛けました。この仕事に協力してくださったすべての方々に心から御礼を申し上げます。

著者 アンナ・カペラ

ビリングズ・メソッド(排卵法)の開発者

ビリングズ医学博士夫妻

「自然が育んだ宝石は素晴らしい!人工石とは比較にならない。」宝石商の方の感嘆の言葉です。人間の尊いいのちも、この自然の恵みが、より素晴らしい幸せな誕生に導きます。ビリングズ医学博士夫妻は、いのちと性が大切にされる自然な受胎調節(出産計画)一ビリングズ・メソッド(排卵法)一を開発されました。そして、この40年間にlOOか国以上に招かれ、シンポジウム・研修会・講演会などを行なってこられました。日本には、1989年と1996年の2回来られ、北海道から鹿児島に至る各地で研修会や講演を行なってくださいました。

加賀乙彦先生(作家・医学博士)は「ビリングズご夫妻の開発した排卵法は確実性において優れている。この方法によって避妊から家族計画へと、私たちの家庭をより自然に、より喜びに満ちたものにすることができる。この方法によって、多くの家庭が幸福への道を見出すよう願ってやまない。」と述べておられます。ビリングズ・メソッドは、文化・宗教・国民性を超えて世界の国々で採用され、若者の健全な育成のためにも大きな恵みをもたらしています。

ビリングズ・メソッドがもたらしたもの

女子高校生の感想

■ビリングズ・メソッドを学び、女性の身体の仕組みについて多く知ることが出来た。早速観察を始め、いのちの重みを受け止めて自分の性を大切に、女性であることを誇りにして生きたい。

■私はこの方法のことを忘れずに、将来は子どもにもしっかり教え、きれいな社会で生活出来るようにしてあげたい。

■私の身体は自分だけのものではなく、新しく生まれてくる生命の「家」であることを忘れないようにしたい。

大学生の感想

■私は、ビリングズ・メソッドにより頸管粘液の仕組みを知ってから、改めて生命と肉体の神秘に驚かされました。新しい生命は私たちの身体を通して誕生する。そしてそのために必要なものは、私たちの身体のみであって、何の機械も道具も一切必要ないのです。それは、何と素晴らしいことでしょう!自分の身体にその神秘が備わっていると知れば、女性は自分の身体を軽んじたりはできないでしょう。自分もその神秘の内に育まれ、また新しい生命を育んでいくものであるからです。私は、より多くの女性がこの事実を知り、自分自身を大切にしていけるようになることを心から望んでいます。またその協力者である男性にも早い時点で知って欲しいです。

■低年齢層において性が乱れている現在、ビリングズ・メソッドはもう少し早い年齢の頃に行なっておく必要があると思います。雑誌、本、口こみなどで誤った知識を持っている人が多いのです。私も実際に無知であったり、誤った認識ももっていました。このようなことをなくすには、本人がきちんと学ぶことも大切ですが、周囲の者が教えていくことも必要です。これにより人間のいのちについての考えも変わり、尊いいのちが自分勝手な考えの人たちによって奪われることも少なくなるのではないかと思います。

■女性は自分でも妊娠可能・不可能の時期を知ることが出来ると学んで、改めて自然の摂理の素晴らしさを感じました。自然に備わっているリズムを理解すれば、人工的なことに頼らず済むことを現代の私たちは気付いていないのだと知りました。女性としての性を受けたからには、自分の体が、子どもを産める責任ある体であることを自覚し、自分自身で守っていかねばならないと思います。女性がもっと自分の体を知り、子どもを健全に産むために、今日学んだビリングズ排卵法をもっと早い時期に知る機会を学校教育の中で取り入れて欲しいと思いました。

■ビリングズ・メソッドは夫婦互いが協力し合い受胎を恵みとして大切にし、自制と節制を捧げることで、よりよい関係を築くことが出来ると思います。またそれを成し得た夫婦に授かる子どもは、両親によって心から望まれて生まれて来るのであり、成長する過程においてもよりよい環境のもとで育っていけると思います。この方法をもっと多くの人が学ぶことにより、よりよい夫婦関係、親子関係さらには、よりよい社会につながっていくと思います。

独身女性

■私はビリングズ・メソッドにより、女性である自分を感謝や誇りをもって受け入れるようになりました。 生理のリズムの中で、自分が生命を宿すことの出来る神秘体であることに気づき、生命の尊さや母親になることへの愛と責任の重さも実感します。望まれた受胎が子に対する母親の愛と責任であり、性は大切にすべきだと思います。私はこの方法が、独身の今、身についたことに、心から感謝しています。女性は若い時から、ぜひこの方法を身につけて欲しいと思っています。

■性に関する情報は溢れていますが、受胎に至るプロセス、つまり新しい生命を産み出す可能性を知る方法ではありません。妊娠の可能性を認識するということは、男女を問わずとても重要なことだと思います。私はビリングズ・メソッドにより、自分の生殖リズムを知り、身体と性の神秘を実感しました。これからも日々の観察をとおして自分自身を大切にし、いろいろな出会いの中で対話を深め、生命を与えてくださる神に感謝し、その愛に応えることが出来るように努めたいと思っています。

結婚準備セミナー参加のカップルの声

■ビリングス・メソッドをもし聞くことがなかったらと思うと怖いくらいです。今日からすぐ観察します。そして、友人、後輩にもぜひ伝えて、間違った知識、方法を直したいと思います。

■この方法をもっと多くの人が理解出来たらよいと思います。学校の保健や性教育にもこの方法を採り入れたら、きっと若者は性を大切にするようになるでしょう。

■この方法を知り、生命誕生可能な日が限られているのに驚きました。自然な仕組みに、人工的な害のあるものを組み入れることなく、二人のために、そして未来の子どもたちのためにも、よりよい健康な生活が出来るように努力したいと思います。

助産婦

■私は、成長する二人の息子の性教育をどうすべきかに悩んでいたそのとき、ビリングズ夫妻の講演を知り、早速でかけました。ビリングズ・メソッドについて話される夫妻の姿は理想の夫婦の在り方を示してくださいました。私は今、ある病院で母親学級の講師をしており、ビリングズ・メソッドの説明を加えました。性教育にも役立ち、この方法を試みてすぐに妊娠された方もいます。日本には150万もあると言われる中絶。自分の身体ですから、管理できないというのは悲しいことです。身体のリズムをしっかりつかみ、夫婦で協力して、健康を害することのない受胎調節をすべきこと、生まれてくる子にも、いのちの大切さをふまえた性教育を母親が教えることを指導しています。健全な夫婦であることこそが、何よりもいい性教育を与えることになるのですから。

結婚10年目の夫婦

■私たちは自然な家族計画ビリングズ・メソッド(排卵法)を知り実践するうちに、夫婦のかかわりの大切さに気づき、相手を思いやる心も自然に表せるようになり、子どもたちにも広がって、家庭が本当に明るく平和になりました。この方法は単なる避妊法ではなく、愛による夫婦の生き方の選択だと思います。夫婦が真に深いかかわりを持って成長するようにとの、神の強い愛と願いを感じて感謝でいっぱいです。

■私は3人の子どもに恵まれて30代になり、家族計画を考え始めビリングズ・メソッドに出会いました。問題は受胎可能期間の禁欲でした。この期間だけコンドームにしてはという夫の話に、まてよと思いました。受胎可能期間にコンドームを使用するなら子どもを望まない性関係であって、お互いが快楽の道具になっているだけです。受胎不可能な期間が多く

与えられていて、待てばその時が来るのに欲望を優先させ、子どもを邪魔者扱いにしています。これがコンドームを使う本当の姿です。この時二人は真に結ばれているのではなく、手袋をして握手しているようなものです。結果として生まれてくるかもしれない子どもに敬意を払うなら禁欲すべきです。夫には世間で言う「男は我慢できない生きもの」と思い込んでいたふしがあります。性欲は解消すべきもの。他人がとやかく言うことではない。性にも消費文化の価値観がはびこっています。「男は我慢できない生きもの」かも知れませんが、真理を知って、いのちの大切さを悟り、愛を知る人は「単なる生きもの」ではなく「人間」なのです。コンドームをめぐって話し合い、本当に大切にすべきものは何かを知った夫は「人間」として禁欲にチャレンジしてくれました。そして「人間」としての自信、親としての自覚も強め、教育方針もしっかりと自分の言葉で語りだし、あらゆることに忍耐強くなりました。私はこんな夫に深く感謝し、尊敬もしています。このような夫の態度は子どもたちにも良い影響を与えました。家族を大切にするということは、夫婦がお互いを与え合い、子どもを恵みの存在として見守るまなざしではないでしょうか。子どもは親のまなざしにとても敏感です。だから以前より家族が寄り添っているように感じます。いのちに開かれているビリングズ・メソッドは、もっと子どもがいてもいいなという気持ちにもなってきます。私は昨年末4人目を出産しました。皆さんにもぜひこの素晴らしいいのちへの感激を知ってほしいと思っています。

結婚12年目の主婦

■無脳症の子どもは難産の末、数時間で天国に召されました。私はお産の苦しみと子どもを失ったショックで、上の二人の子どもには全く関心が向かず、放心状態で眠れない夜が続きました。妊娠への恐怖から、セックスは怖いと思い続けていました。こんな時、ビリングズ・メソッド(排卵法)に出会い、再び主人を迎えることが出来、子どもたちも生き生きとしてきました。以来、排卵法は友人にも機会あるごとに薦めてきました。新婚のカップルにも大変喜ばれ、また、3組の夫婦には待望の赤ちゃんが生まれました。

64歳主婦

■私は、3人の娘たちにビリングズ排卵法を教えることが出来たことは、どんな稽古事にも勝ったよい結婚準備であったと感謝し、喜んでいます。私と排卵法の出会いは、21年前43歳の時でした。ひどい生理不順だった私は、家族計画が難しく4回も中絶しました。心が晴れず、償いきれない重苦しさの中にありましたので、排卵法の印刷物に目を見張り、早速指導を受けて排卵法を取り入れました。観察記録は1975年から始まっています。排卵法を取り入れてから心の平安を得、主人とも一体感が持てるようにり、月経周期までが28日前後に一定してきました。主人は、安全日がわかることが気に入り喜んでいました。私は56歳で閉経しましたが、排卵法に守られて更年期も無事過ごし、今は夫とともに家庭菜園や孫のお守り、家事などを一緒にして仲良く暮らせることを心から感謝しています。私のライフワークはビリングズ・メソッドの普及です。微力ながらもお役に立ちたいとがんばっています。

ナチュラルウェイービリングズ・メソッドー

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この地球のあらゆる生命には2つのものが必要です。です。熱は、全ての生き物が育つためになくてはならないものですが、それだけでは足りません。

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もし水や湿り気がなければ、地球の表面は生命が全て死に絶え、砂漠のようになってしまうでしょう。

この水と湿り気を、生命と受胎に結び付けて考えてみたいのです。

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当り前のことですが、種が芽を出すためには、土と十分な水が必要です。それでも、 時には種が全然芽を出さないこともあります。なぜでしょう。

これは難しい問題で、それを理解するためには、生命の複雑なタイミングや四季の移りかわり、そして生物のいろいろなリズムといった仕組みを見る必要があります。それはまるで、精巧な時計のようです。

私たち人間の身体のリズムにも、こうした仕組みが関係しています。特に女性の生殖生理がそうでしょう。

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全て女性の体には、特別な仕組みが備わっています。しかも他のたくさんの仕組みとつながっているのです。この「時計」のリズムによって、女性のもっとも大切で尊い、生殖と出産の機能が働くのです。

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私たちはここで、母性をテーマとして扱おうとしています。この複雑な問題を始めるにあたって、まず簡単に、畑にたとえてみましょう。女性の身体を、種を播くための畑にたとえてみようというわけです。

御存知のように、「種」は男性との結合によって播かれます。では、女性の身体には、畑に必要な雨とか湿り気などがあるのでしょうか。

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実は、女性の月経周期に何が起こるかをよく調べてみると、なんと女性の体にも、湿り気や濡れた感じがする時があるのです…

…乾いた感じの日のあと、膣口(外陰部)に湿り気を感じたり、粘液(おりもの)が出ているのに気がつくことがあります。普通にしていても感じられるほどです。

受胎能力があるうちは、この膣口の感じや粘液の出方によって、妊娠できる時を見分けることができるのです。粘液は初めのうちはネバネバしていますが、徐じよに水っぽくなってきます。これが畑でいう雨であり、湿り気なのです。

右の写真は、この粘液がどのようなものかを示した一例です。粘液の有無や状態を調べるために、指を使う必要はないのです。

図1

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図2

もう一度先の時計の話に戻りましょう。時計の文字盤を月経周期に合わせて区切ってみます。スタートを、女性にとって一番分かり易い「月経」から始めます。それを赤い色にしておきます(図2)。

図3

月経が終ると、普通の場合、乾いた時期が来ます。畑にたとえるなら、乾いた季節、乾季のようなものでしょうか。時計のこの部分は、畑の乾いた土のように、茶色にしておきます(図3)。

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そのあとで、前にお話したように、だんだん変化していく粘液が出て来て、湿った感じのする時が始まります。この期間は白い色をつけましょう(図4)。

図4

次ぎにまた乾いた時期がやって来ます。そこもまた茶色にしておきましょう。この乾いた状態は、次の月経まで続きます。月経が始まったら赤い色になって、また新しい周期が始まるというわけです。

こうして女性の月経周期を、時計に置きかえてみれば、受胎能力がどうなっているかが簡単にわかるでしょう。

この時計を見るだけで、いつ種をまいたら芽を出すかがわかります。当然ですが、乾いた時ではありません。湿り気がある時、つまり前に見た粘液のある時の方が芽を出す可能性がはるかに高いのはおわかりでしょう(図5)。

図5

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この時計について、もう少し詳しく見てみましょう。全ての女性が全く同じリズムというわけではありませんし、同じ一人の人でも周期が変ったりします。ではまずこの時計を開いて、表にしてみましょう。

図6

この横長の表を短冊に区切り、1マスを一日とします(図6)。28個のマスは、28日周期で月経がある場合で、これは一例です。28日より長い人や短い人もありますが、ここではとりあえず28日を標準周期として考えます。

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初めに月経の日を赤く塗ります。3日か4日、場合によって5日間でしょうか(図7 あくまでもこれは一例です)。

図7

月経が終ると乾いた時期が始まります。この期間を茶色に塗ります(図7)。これを「乾いた日の基本的不妊のパターン」といいますが、詳しくはまた後で説明します。とりあえずここでは、畑に水がなく乾き切っている時期ですから、種をまいても水気がないので芽が出ない時期だと考えておきましょう。

図8

反対に、その後の湿り気があって土壌が豊かな時期には、種は芽を出すことができます。同じように、女性の体に湿り気のある時期は、妊娠可能な時です。その期間を「受胎可能期」といい、白い色にします(図8)。

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図9
図10

初めの日の粘液はこのように不透明で粘りがあり、伸びがなく、クリーム色をしています。この時、膣口では乾いた感じがなくなり、粘液の分泌が始まったことが感じられます(図9)。

粘液が少なくて見えない場合でも、もう乾いた感じがないということで、粘液の分泌が始まったことを知ることができます。時として、不妊型の粘液が出ていることもあります(38頁5〜7行を参照)。

図11

日がたつにつれ、粘液はもっと水っぽくなり、長く糸を引くように伸びがでてきます。そして透明になっていきます(図10・11)。

図12

やがて粘液は透明で、さらに伸びが出てきます(図12)。

この時の膣口の感じがとても大切です。粘液の量が少ない人や見えない人にでも、「濡れた感じ」があるからです。

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最後には粘液は無色透明になり、流動感があって、スベスベしたものになり、膣口に、はっきりと「濡れた感じ」がします(図13)。

それから劇的な変化が起こります。粘液が不透明でネバネバしたものに変る

(図15)か、消えてしまうのです。それまであった濡れた感じやスベスベした感じも、全くなくなってしまいます。

その前の日、つまり濡れた感じやスベスベした感じがあった最後の日をピークの日といいます(図14)。

このピークの日をほかと区別するために、特別なしるし(▲)をつけます。それはこの日が女性のリズムを刻んでいる時計が、最も大切な日を示しているからです。この日は、周期の中で最も受胎する可能性の高い日、母親になる可能性の高い日です。

ピークの日は翌日にしか分からない、それを忘れないでください。粘液が劇的に変化あるいは消失し、体にスベスベした感じがなくなってようやく分かるのです。

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このピークの日のあとの3日間については、もし濃厚でネバネバした粘液が観察できる場合には白く(図16)、粘液がなく乾いた感じなら茶色(図18)にします。

図16

この3日間には、1、2、3と数字をつけ、まだ受胎可能期であることをはっきりさせておきます(図16・18)。

図17

畑と雨の関係で言えば、この3日間は、土の表面が乾いているように見えても、前の日までの雨で土中には水分がたっぷり残っているような状態に相当します。だからここで種を播けば、芽が出るわけです(図17)。

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同じことが女性の身体にも言えます。本人はすっかり乾いたと感じるようになっても、男性から種(精子)をもらえば、新しい生命が生まれる可能性がまだあるのです。このことは、あとで詳しく説明することにします(P.34)。

図18

ピークの日の後、4日目から不妊の日が始まります。この日から次の月経まで、妊娠することはありません。つまり、母親にはなれないのです(図19)。

図19

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ピークの日から次の月経(生理)の始まりまでの日数は、どのような月経周期であってもほとんど一定しています。短くて10日、長くて16日です。

図20

月経の周期の長い短いは、月経の始まりからピークの日までの日数によるのです。例えば、粘液が出始めるまでの乾いた日が長くなれば、月経周期もより長くなりますし(図21)、逆に乾いた日が全くなければ、月経周期も短くなります(図22)。

図21 図22

その他に、月経の長さや、粘液が出る日数によっても、月経周期の長さは変ってきます。

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その周期がどれだけ続くかを前もって知ることは、誰にもできません。その女性の受胎能力をコントロールしている「時計」の動きを知るために、どんな複雑な計算をしても無意味なのです。でも、@粘液が出ているかどうか、それがAどんな粘液かをB毎日観察するだけで、今の状態は十分にわかります。周期が規則的な人も不規則な人も、特殊な状況の人(授乳期の人や閉経前)でも、粘液の有無とそのタイプで自分の受胎能力の状態がわかるのです。

これが女性の受胎能力を示す時計です。一度これを理解すれば、これがどんなに信頼性が高く、正確か分かるでしよう。十分に活用してください。

粘液の変化を見分けるのはとても簡単です。毎日自分の表に、その日観察したことをメモしておけばいいのです。それだけで、妊娠可能な時とそうでない時を簡単に見分けることができるようになるでしょう。

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子どもたちは確かに神様からの贈物であり、両親にとっては大事な宝物です。しかし妊娠の間隔が近すぎると、母児両方の健康に有害なことがあるかも知れません。さらに度重なる妊娠・出産は経済的な困難を招くことがありますし、母親が子どもに十分な時間を割くことができなくなるかも知れません。ですから、妊娠に適当な間隔をおくことは、家族にとっても大事なことと言えるでしょう。

ある夫婦には次々と子どもができるのに、ある夫婦1こは欲しくても子どもができません。それは一体どうしてでしようか。

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これにはいろいろな原因が考えられますが、もしかすると、子どものいない夫婦は、生命にとって大切な、湿り気がない時期を選んで種を播いてしまったのかも知れません(図23)。

図23

ところで、どうしてこの湿り気つまり粘液が妊娠にとって大切なのでしょうか。この背後に何があるのでしょうか。

図24:流動性があり、透明で、伸びがある粘液の例。これで女性は湿り気や、濡れた感じがします。

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その前に、一般的な女性の生殖機能の働きを見ておくことにしましょう。

卵巣(図25−1)は、卵子を作る器官です。この卵子が男性から出た精子と結合して新しい生命が誕生するのです。

膣(図25−2) 子宮頸管(図25−3)には、頸管粘液を作る器官「子宮頸管内腔」があります。

子宮(図25−4)

図25

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図26

子宮の内側は、子宮内膜と呼ばれる粘膜に覆われています(図26−1)。この膜は、月経の周期が始まるたびに子宮の内側を覆い始め、新しい生命である受精卵がそこに留まり(着床)、成長するための「ベッド」になります。もし受精卵が着床しなければ、このベッドは月経周期の終りには剥げ落ち、身体の外に排出されます。これが月経です。こうしてまた新しいベッドが準備されるわけです。

子宮と卵巣とは、卵管と呼ばれる管でむすばれています(図25−5)。

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図27

卵巣には、卵胞と呼ばれるものに包まれた卵子がたくさんあり(図28)、その卵胞の一つが成熟し最高潮に達すると、卵子を卵管に放出します。これを排卵といいます(P.24の図34参照)。

卵胞が成熟していく時に、卵巣から子宮頸部にメッセージが送られ、そこで粘液が作られるのです。こうして、月経の後に子宮頸部を閉じていた、ネバネバした濃厚な粘液の「栓」がはずれるのです(図27)。

この粘液が出始め、膣口に湿った感じがすることで、受胎可能期が始まったことが分かるのです。

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もし、卵胞の成熟が早ければ、月経周期の初めのうちに粘液を作るメッセージが送られ、子宮頸部で粘液が作られ始めるのも早くなります。この場合には、月経が終ってから粘液が出始める間の乾いた時期がなく、月経周期も短くなります(図29)。

図28
図29

一方、卵胞の成熟が遅ければ、粘液を作るメッセージも遅れ、乾いた時期も長くなります。こうした場合こは、月経周期は長くなります(図30)。

図30

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もう一度、標準的な28日周期の例で、ピークの日まで戻ってみましょう(図31)。

図31
図32

粘液が水っぽく伸びがある(図32)とき、女性は膣口にスベスベした感じがあるのに気づきます。このスベスベした濡れた感じは1日か2日続きます。この粘液の最後の日(ピークの日)は排卵が間近に迫ったことを示しています。実際、排卵はピークの日から2日後までに起こり、卵子は卵管に入ります(図33・34)。

図33
図34

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卵子はまっすぐに子宮へと向かいます。もし夫婦の交わりがあれば、精子が到達して受精することになります(図35)。

卵子が受精できるのはほんの短い時間で、その間に精子と出会わなければ、その卵子は数時間で壊れてしまいます。

すでに見て来たように、ピークの日のあと、粘液はすぐにネバリを増します。この濃い粘液が子宮の入り口つまり子宮頸管の「栓」のようになるのです(図36)。

図36
図35

これは受精したかどうかに関係なく起こります。それには意味があります。

受精が行なわれた場合には、この栓は子宮の中で育っていく新しい生命を、外の細菌から守る役目を果たすのです。

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ピークの後4日目から次の月経までの茶色の時期(図37)には、妊娠することはできません。母親になることができないのです。卵子はすでに壊れてしまっているからです。濃くネバリのある粘液があっても、問題ではありません。

図37

次の月経が始まると、この周期は終りです。受精卵を受けとめるために子宮の内側を覆っていた子宮内膜は剥れ落ち、子宮の入口の「栓」と一緒に排出されます(図38・39)。

図38
図39

こういうわけですから、月経を周期の終り、つまり、成功しなかった受胎計画の終りと考える方が実際は正しいのです。私たちが初めに、月経を周期の始まりとしたのは、月経が一番はっきりした分かり易いしるしだったからに過ぎません。

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別な周期が始まり、排卵が起こります。新しい卵子が放出され、男性からの精子と結合する可能性が生まれました。精子は粘液を通り、膣から子宮頸部を通って昇ってきます(図40)。

セックスの際に膣の中に放出される精液には、普通何億もの精子が含まれています。

図40
粘液を通ってさかのぼる精子

このスベスベした粘液には精子を保護する役割があります。@フィルターのように異常な精子を振るい分け、A正常な精子が「川をさかのぼるサケ」のように楽々と子宮まで泳いでいけるように導くのです。この粘液は、◎精子が子宮を泳いで昇り、卵管の先端にまで到達できるように精子に活力を与え、養分を補給します(31・32頁参照)。

図41

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図42

精子は卵子が左右の卵管のどちらにいるか分からないので、その両方に分かれて入ります(図42)。

何億という精子のうち、粘液に振るい分けられて残る精子は、ほんの数百。その中のたった一つだけが卵子と出会い、結合(受精)できるのです(図43)。

この受精の瞬間に、新しい生命が生まれるのです。精子と卵子に含まれた両親の遺伝子が融合し(図44)、その新しい子どもに伝えられます。この瞬間に、新しい生命の遺伝的な特徴が全て決まるのです。これは全くユニークで、一つとして他と同じものはありません。

図43
図44

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やがて、子宮頸管には粘液の栓が作られます。これは受精卵を保護するために自然が与えたものです。

受精卵は卵管を下り、受精卵を受けとめるために用意された子宮内膜というベッドに着床します(図45−1)。

図45

この卵子と精子の融合によって生まれた新しい生命、新しい人間は、細胞分裂を繰り返しながら増殖し、どんどん成長していきます。子宮内膜にすっぽりと埋まり(図46)、保護され、栄養を吸収するのです。およそ9カ目の間、この子宮は胎児にとっての家となるわけです(図47)。

図46
図47

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図48

受胎後3カ目すると、胎児はちょうど8センチぐらいになります。体の主要部分も、完全ではありませんが、もうすでに形成されています。

体重はおよそ25グラム。三頭身で、顔の輪郭もすでに人間そのものです。唇はもう吸うことができますし、目も、まぶたもできています。

髪の毛や爪も伸び始め、筋肉も元気に運動し始めています。

受胎後9ヵ目すると、胎児はそれまで自分を保護してくれた家から、外の世界へ出る準備がすっかり整います。

図49

陣痛が始まると、粘液の栓は外れます。もう役割が済んだからです(図49)。

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もう少し、この女性の受胎能力の神秘を探る旅を続けます。特に、生命誕生のプロセスと密接に結び付いたあの粘液に、もう少し注意を向けておきましょう。

粘液がネバネバした濃い状態の時、電子顕微鏡で見てみますと、細かく入り組んだ網のようになっていて、細かい精子でも入れないようになっています(下の写真・図50)。

濃い粘液の電子顕微鏡写真(F・C・クレテイエン)

粘液に水分が増え、流動性が増してくると、粘液の網目がゆるみ、精子が通り抜ける通路のようになります(下の写真・図51)。

薄い粘液の電子顕微鏡写真(F・C・クレテイエン)
図50
図51

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ピークの日が近づくと、粘液の組織は糸状に並び、精子が通りやすい運河のような「遊泳路」を作ります(図52)。

顕微鏡で見たピークの日が間近の粘液、スジ状に運河ができている、(E・ジアッチ)

この粘液には、フィルターと交通整理の役割に加え、前に述べたように、精子に栄養を補給するという役割もあります。

この粘液のおかげで、精子は子宮頸部で2〜3日あるいはそれ以上、生き続けることができるのです。

精子が卵管まで泳いでいっても、卵子がまだそこにいなけげば、何にもなりません。精子の寿命はとても短いので、粘液がない卵管では、精子は排卵を待てずに死んでしまうことになります。

図52

子宮頸管内腔(図52−1)は、自然が発明した生命維持装置です。これは子宮頸部の内側にあるヒダで、いわば精子の貯蔵室・砦の役割を果たします。ここには頸管粘液があるので、精子は2、3日たまには、もう少し長く元気に生き続けることができるからです。

一旦はここに入った精子も、やがて卵管への旅を始めます。それも皆が一度にではなく、波が次々に押し寄せるように順を追って出かけるのです。

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こうした精子の中にはタイミングよく卵管に到達し、後から来た卵子とめぐり逢い、受精できるものもあるわけです。このようにして自然は、受精つまり新しい生命誕生のチャンスを豊かにしているのです。

というわけで、粘液の中では精子の寿命が長くなり、セックスや性的な接触が排卵の2〜3日前であっても、粘液があれば妊娠する可能性がとても高いのです。つまり粘液は、月経周期の受胎可能な時期を見分けるしるしであると同時に、夫婦に子どもができるために必要不可欠な要素であることが、お分かりいただけたでしょう。

図53
図54
図55

上の図(図53〜55)は、粘液が出始めた最初の日からでも、妊娠が可能であることを例示したものです。

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「どうしてピークの日から3日間の妊娠可能なのでしょうか?P.14の図16のように白く塗った日、つまり粘液のある日ならともかく、P.15の図18のように茶色い日、つまり粘液のない日にも妊娠するのでしょうか?」…こんな質問もあるでしょう。

排卵は、普通にはピークの翌日、時としてはピークの当日、たまにピークの翌々日に起こります(図56)。ピークの2日後に排卵が起こる可能性と、卵子が24時間生存できるという事実を考え合わせると、ピーク後3日間は妊娠の可能性があるわけです。

図56

ピークの翌日から、粘液は濃くなり、子宮の栓が作られます。ですが、この栓が完全に精子を通さなくなるまでには、しばらく時間がかかるのです。

つまり、ピークの後、まだ妊娠の可能性がある3日間に性的な接触があると、精子の一部はまだ未熟な栓を通り抜け、卵管まで達し、卵子と出会うことになるのです(図57)。

図57

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最後に、脳の働きを見ておきましょう。女性の身体のリズムを刻んでいる「時計」をコントローレしているのが、脳です。

脳の低部には、脳下垂体と呼ばれるものがあります。月経周期の始めに、ここから卵巣に向けて、卵胞を育てるように指令が出されます(図58-a)。ついで、卵巣から子宮頸部に粘液を作るように指令が出されるのです。(図58-b)。

図58-b
図58-a

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ところが、脳はとても敏感なものです。もし仕事のストレスや家庭の問題、旅行の緊張などで、脳が疲れてしまったらどうでしょう。

脳下垂体が卵巣に指令を送るのをやめてしまえば、卵巣は一時的にその活動を停止してしまうことになります(図59)。

図59

あたかも脳が、今は妊娠するのに適当な時期ではないと判断したかのようです。

こうなりますと、女性の月経周期は長くなり、不規則になってしまいます。

こうした状況にある時、粘液がきちんと変化しないことが、女性の身体にも感じられます。しばらくしてまた粘液が出始め、ピークの日にまで順をおって進めば、この変化は一時的なものであったことが分かりますし(図60)、もしそうでなければ(図61)、この状態はしばらく続くことになります。

図60

36

後者の場合、排卵が起こりませんから、粘液はピークにまで行きません。そして、この場合に起こる出血は、通常の月経とは違うものです。

図61

時には、出血が排卵の直前に起こり、分泌されている粘液が分からない場合もあります(図62)。

図62

赤ちゃんを完全に母乳だけで育てている間(完全母乳保育期)には、排卵が起こらないのが普通です。赤ちゃんをある程度まで完全に母乳だけで育てるのが、出産間隔をとるための、きわめて自然な方法だというのは、そういうわけです。

母乳で育てるのは、きわめて自然で理想的な方法です。肉体的にも精神的にも赤ちゃんのよりよい発育を助け、しかも病気の感染から守るからです。

37

閉経前や経口避妊薬(ピル)の使用をやめた後、また特に、完全母乳保育期間など月経周期がとても長い場合、自分の卵巣の機能が低下しているしるし、すなわち、基本的不妊のバターンを知っておく必要があります。

不妊期(図63)には、膣が乾いた感じの日が続く『乾いた日の基本的不妊パターン』と、時々白く濁った「おりもの」が、毎日同じ状態で膣に出てくる『粘液の基本的不妊パターン』の2種類があります。表にする時、この「おりもの」がある時はこれまでとは違って、黄色でしるします。

図63

ところで、こうしたストレスや悩みごと、母乳保育期間などが終り、身体の時計がまた周期的なリズムを刻み始め、受胎可能型粘液が戻ってくるのはいつでしょうか。

自然というものは、ゆっくり一歩一歩回復させたいようです。つまり、突然に完全な周期に戻すのではなく、いつもの粘液を少し作ってはやめ、また、膣口の感覚の変化を感じさせながら、徐々に正常の周期に回復させていくのです(図64)。

図64

38

母乳保育の場合、赤ちゃんが離乳を初め、母乳だけに頼る必要がなくなってきますと、脳下垂体(P.35参照)は、また卵巣に排卵の準備を始めるよう指令を送り始めます。こうして、もとの周期に回復していくわけです(図65)。

ストレスがなくなった場合でも同じです。

自然は、赤ちゃんの成長を確認できると、また新しい生命誕生の可能性を提供してくれるのです。

図65

これでビリングズ・メソッドが根拠としている女性の受胎能力について、ある程度ご理解いただけたでしょう。これは、次のような場合に利用できるはずです。


39

ビリングズ・メソッドは、次のような選択の自由を与えてくれます。子どもがほしいなら  最も妊娠しやすい時は、粘液が生玉子の白身のような透明で、伸びがあり、スベスベした感じがする時だというのは、もうよくお分かりでしょう。

40

逆に、しばらく間を置く必要があるとか、全く妊娠したくないなら  次の6つの規則を守ってください。

 

月経による出血がある時には、セックスや性的交渉を避けます。

月経出血の時点ですでに受胎可能な粘液が出ていても、出血に混じってしまうと見分けがつかなくなるからです。

41

月経の後、乾いた日の基本的不妊パターンが現われたら

セックスはその晩に限ります。  昼間のうちに、粘液がないこと、湿った感じがないことを確かめておくことができるからです。

セックスは毎晩でなく、その翌日は性的接触を避けて、様子を見ます。  セックスをした翌日は精液が残っていて、もし受胎可能型粘液が出ていても分からなくなる恐れがあるからです。

こうすることで、女性は妊娠出来る期間の始まりを確認出来るのです。

粘液が現われている期間とピーク後の3日間は、一切の性的交わりを避けます。

ピークの日の後4日目から次の月経が始まるまでは、いつでもできます。

42

閉経前や経口避妊薬(ピル)の使用をやめた後、それに母乳保育期間のように、月経周期が長い時には次の規則に従います。

何週間があるいは何カ月も続くこうした状態の間は、粘液が全くないか、受胎可能型の粘液と違って毎日タイプが変らない粘液がある場合(P.38・図63)、セックスは晩だけにし、少なくとも翌日は性的接触を避け、様子を見ます(P.42のルール2参照)。

受胎可能型の粘液が現われても、ピークに達しなかった場合、基本的不妊のパターンに戻ってから3日間は性的交渉を避け、様子を見ます(下図参照)。

もし受胎可能型の粘液で、ピークに達するあの伸びのある粘液が出てきたなら、いつもの月経周期に戻ったことが分かります(P17の図参照)。

43

基本的不妊のパターンの間に、ピークのあとにではない出血が見られたならば3番目のルールに従います。つまり出血のあった日と、その後、基本的不妊パターンになってからの1.2.3.の3日間は、全ての性的接触を避けます。そして、4日目に2番目のルールに入ります。


このビリングズ・メソッドは、世界中に紹介されています。

この6つのルールに注意深く従えば、ほとんど妊娠しないことが、結果として明らかになりました。

逆に、このルールを無視して、受胎可能日に性交や性的接触を行なった場合には、妊娠する可能性はきわめて高くなります。

44

この方法の利点

夫婦が妊娠を先に延ばしたいとか避けたいと考える場合、このビリングズ・メソッドでは、女性の身体に受胎可能なしるしが見られる間、セックスや性的接触を避けることになります。夫婦が互いに話し合い、理解し合わなければ、このルールを守ることはできません。  しかし逆に考えれば、夫婦が協力し合い、受胎を恵みとして大切にし、互いに自制と節制を捧げることで、二人はより深い愛と成熟に導かれます。

…このビリングズ・メソッドは、素晴らしい家族計画の方法なのです。

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この本をお読みになったあなたは、ビリングズ・メソッドを使ってみたいとお思いでしょう。この本の最後に、連絡先を記しておきましたので、必要なときはご連絡ください。

この方法で大切なことは、早速観察を始め観察記録をつけることです。それによって自分の頸管粘液の性状や感触がどんなもので、どう変化していくか、自分の目と感触でマスターし確認していくことができます。

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なお、母乳授乳期や閉経前、あるいは避妊薬(ピル)をやめた時、周期が長く不規則な場合などの特別な状況では、経験豊かな人に相談が必要になるかもしれません。

また、この方法を使っている他の人たちと交わることで、家族関係の他のことでも支え合うことができるでしょう。

自分の頸管粘液の観察には、次の頁(48頁)の注意に従ってください。また下の表も参考になさってください。

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粘液観察のポイント

  1. 観察は必ず毎日続けます。
  2. いつもの生活をしている時(普通は日中ですが、夜間働いている人は夜)に、膣口で感じるものに注意を向けてください。
  3. 粘液を感じる時にはその特徴(外観と濃さ)をメモします。量はあまり関係ありません。
  4. 粘液を調べるために、膣の中まで指を入れる必要はありません。粘液がなくても膣の中は湿っていることがあり、かえって混乱します。
  5. 膣の中を洗ったりタンポンをすると、粘液の状態が分からなくなります。ぴったりした下着も膣口の感覚が鈍くなるので避けます。
  6. 粘液を観察している間、特に最初の周期はできるだけ性的交渉を避けます。粘液が精液や性的興奮時に見られる分泌液と混じって、正しい観察ができないからです。
  7. P.46〜47の表で、一番上の数字は月経周期の何日目かを表わすもので、カレンダーの日付ではありません。月日は欄外に記入します。
  8. 月経周期は、月経出血の最初の日から次の月経が始まる前の日までです 新しい月経が始まったら、次の表に移ります。
  9. 表の上段は、膣口の状態に従って、フェルトペンなどを使って色を塗ります。色の区別は一応右に整理してあります。
  10. 表の下段には、粘液の状態と身体の感じ方を簡潔にメモします。受胎可能型粘液の最もはっきりした特徴をマスターするため、記入は一日の終りにします。

表のためのデータ・色の区別

赤色:
月経の日およびその他の出血の日。
茶色:
膣口が乾いている日。「乾いた日の基本的不妊パターン」及びピークの日の後4日目から次の月経まで。(P16)
白色:
受胎可能型粘液が出ていて、湿り気や、濡れた感じがし、スベスベした感じ(潤滑感)がある。(P.11)
白色十▲:
「ピークの日」。(P.13)受胎可能型粘液が消失したら、その前の日に▲印をつけます。
白色十1,2,3:
ピークの日の翌日から3日間。粘液はあるが、濃く不透明で スベスベした感じ(潤滑感)がない。(P.14〜15)
茶色十1、2、3:
ピークの日の翌日から3日間。乾いた感じがして粘液も見られない。
黄色:
受胎可能型でない粘液がある日。(P.38)長引いている基本的不妊パターンの時やピークの日の後4日目以降で、不透明で濃い粘液がある。湿った感じやネバネバした感じはあるが、潤滑感がない。

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自然で科学的・近代的な家族計画の資料が揃っています。

自然な家族計画「ビリングズ・メソッド」の開発者である医学博士ビリングズ夫妻の2回による来日によって、いのちと性の尊さにたったこの方法が見直され広まっています。簡単で信頼に足るこの方法は、生理の不順な人、授乳期間中の人、更年期や不妊の人にも役立ちます。無害であり、経済的負担もなく、その上夫婦の対話や思いやり、信頼などを深めています。若者もいのち誕生の自然の仕組みに驚き、性は大切にすべきだと理解するようになり、性教育にも役立っています。この方法を取り入れた人たちからは喜びの声が寄せられています。

  1. 「素晴らしいNFP知っていますか」
    自然な家族計画紹介のパンフレット
    (発行所心のともしび)定価100円(税別)
  2. 「ビリングズ・メソッド」ビデオ30分
    わかりやすい説明と美しい画像のテープ
    (発行所音響映像gmc)定価7,000円(祝別)
  3. 「ナチュラルウェイービリングズ・メソッドー」
    多くの絵入りでやさしく解説されている、ビリングズ・メソッド(排卵法)の入門書ビデ才「ビリングズ・メソッド」を見た後の振り返りとして、結婚準備セミナー・青年会・母親の会などのテキストに最適。高校生以上の性教育にも用いられている。
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  4. 「ビリングズ・メソッド教本」
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  5. 「ビリングズ・メソッド」
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  6. 「図説排卵法」
    <付録>@排卵法の科学的根拠A小辞典Bシール入りの排卵法観察記録用紙
    具体的な頸管粘液観察表を例に解説されたビリングズ・メソッドの指導にも役立つ書。
    (発行所サン パウロ)定価1,000円(税別)

申込先ファミリーセンター
〒815福岡市南区皿山4−14−27
TEL092ー541ー6207
FAX092−552−5022
(支払いは注文品に同封される郵便振替でどうぞ。送料が必要です。)

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この自然な家族計画の方法(ビリングズ・メソッド)について、より詳しくお知りになりたい方は、下記までご連絡ください。

●天使病院 保健相談室 〒065 札幌市東区北十二条3丁目3 TEL011ー711ー0101
●聖母病院 保健相談室 〒161 東京都新宿区中落合2−5−1 TEL03ー3951ー1111
●神山 雅子 〒133 東京都江戸川区東小岩5−16−8 TEL03ー3658ー2586
●大島 展子 〒l02 東京都千代田区5番町4−7 TEL03ー3263ー3346
●神の愛の宣教者会 ビリングス・メソッド係 〒123 東京都足立区西新井本町3−5−24 TEL03ー3898ー3866
●小塚 由利子 〒185 東京都国分寺市戸倉3丁目15−10 TEL0425−76−8423
●山ロ ルミ子 〒208 東京都武蔵村山市学園4−3 むさしの住宅14−207 TEL0425ー66−0162
●生と性を考える集い(代表 山本 知子) 〒261 千葉市磯辺3−25−4 TEL043ー278−8654
●薦野 夫裕子 〒227 横浜市青葉区梅が丘23−10−305 TEL045ー971ー6298
●浦越 美津江 〒232 横浜市南区永田みなみ台1−6−803 TEL045ー714−4478
●林 里江子 〒248 神奈川県鎌倉市材木座4−12−7 TEL0467−23−2827
●浦田 巨子 〒253神奈川県茅ヶ崎市東海岸北3−12−1 TEL 0467−86−7319
●産婦人科病棟婦長 Sr.佐藤 〒920金沢聖霊総合病院 石川県金沢市長町1−5−30 TEL0761−31−1295
●山本助産院 山本 英津子 〒921 石川県金沢市新保本1−222 TEL076249ー4805
●聖霊病院 産婦人科 〒466 名古屋市昭和区川名町56 TEL052−832−1181
●真野 美知子(看護学校教員) 〒466 名古屋市昭和区鶴羽町2−21 TEL052ー741ー5093
●若尾助産院 若尾 克己 〒505 愛知県美濃加茂市森山町3−lO−7 TEL0574−25−2701
●斎藤 百合子 〒441−13 愛知県新城市日吉字坊字田5−3 TEL05362ー3ー4341

50

●棚田 壇 〒444−l1 愛知県安市姫小川町18−33 TEL0566ー99ー2894
●神の愛の宣教者会 ビリングス・メソッド係 〒497 愛知県海部郡七宝町大字安松1−15 TEL052ー441−5141
●福岡 美恵子 〒635 奈良県大和高田市池田286 TEL0745ー53−O044
●牧 静子 〒525 滋賀県草津市青池日町5−43 TEL0775−63ー4435
●杉田 恭子 〒545 大阪市阿倍野区阪南町3−26−27 TEL06ー623ー1969
●竹中 保子 〒545 大阪市阿倍野区松崎町2−6−30−311 TEL06−623−6915
●登 文子 〒590−04 大阪府泉南郡熊取町野田621−170 TEL0724ー53−3107
●門 カズ子 〒569 大阪府高槻市淀の原町22−7 TEL0726−69ー4817
●松田 房子 〒669−13 大阪府三日目市あかしあ台4丁目2番地E棟216号 TEL0795ー65ー6287
●岡本助産院 岡本 富士子 〒641 和歌山市小雑賀67番地 TEL0734ー23ー3354
●沖見 弘恵 〒646 和歌山県田辺市元町2274−14 TEL0739−24−5340
●姫路聖マリア病院 産婦人科 〒670 兵庫県姫路市仁豊野650 TEL0792ー64ー2001
●塚崎 みち子 〒657 兵庫県神戸市灘区長峰台2−1−1−508 TEL078ー882−5406
●ビリングズ・メソッド係 〒780高知市本町1−7−31プロ・ライフ・ムーブメント TEL088ー873ー3619
●Sr.築沢 由美栄 〒780 高知市本町5−6−26 オタワ愛徳修道女会 TEL088ー872−0522
●聖マリア病院 産婦人科(医師:井手 信) 〒830 福岡県久留米市津福本町422 TEL0942−35−3322
●むなかた助産院 賀久 はつ 〒811−34 福岡県宗像市日の里1−1−12 TEL0940−36ー1131
●太田 寛子 〒838−01 福岡県小郡市三沢75−42 TEL0942−75−1021
●ビリングズ・メソッド係 〒815 福岡市南区皿山4−14−27 ファミリーセンター TEL092−541−6207
●大平 敬己 (産婦人科医) 〒815 福岡市南区皿山4−14−27 ファミリーセンター方 TEL092−541−6207

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●宮崎 文子 (福岡県立看護専門学校副校長) 〒818−01 福岡県太宰府市大字向佐野22番地 TEL092ー923−2036
●深堀 邦枝 〒814 福岡市城南区神松寺3−7−31 TEL092ー801ー5351
●野川 啓子 〒815 福岡市南区大楠3丁目19−16 TEL092−524ー4387
●馬込 文代 〒819 福岡市西区飯盛747−4 TEL092ー811ー6320
●山崎 真由美 〒819−13 福岡県糸島郡志摩町大字稲葉18番地 TEL092−327−0986
●親泊ひろ子 〒816福岡県春日市泉4−31 TEL 092−571−5820
●酒井 孝子 〒851−04 長崎県西彼杵郡三和町布巻827−1 TEL0958−92−2394
●Sr.新谷 愛子 〒852 長崎市三ツ山235 長崎純心聖母会三ツ山修道院 TEL0958ー46ー0084
●片山 清美 (助産婦) 〒852 長崎市若竹町11−2 TEL0958−44−1534
●安部 由子 〒869−11 熊本県菊池郡菊陽日町津久礼2214−19 TEL096ー232ー7310
●平田 悠貴子 〒860 熊本市黒髪町6−7−11 TEL096−344−3039
●二田 レイ子 〒860 熊本市高平3丁目6−4 TEL096−346−5611
●南条 登志子 〒860 熊本市帯山5−20−53 TEL096−382ー6095
●旅井 瑞代 〒862 熊本市帯山1−22−71 TEL096ー382ー7171
●神の愛の宣教者会 ビリングス・メソッド係 〒874 大分県別府市大字浜脇字矢ノ林3307−6 TEL0977ー21ー7044
●内野 照美 〒870 大分市古ケ鶴1−5−3 なかつるコーポ302号室 TEL0975ー51−2563
●追田 フミ 〒890 鹿児島市西伊敷町3丁目24−2 TEL099ー229ー3975
●村田 久美(助産婦 〒890 鹿児島市下伊敷1−18−7 TEL099−229−9882
●宮里 達也 (産婦人科医) 〒902 沖縄県那覇市長田2−31−19 TEL098ー836ー6321
●浜元 勝枝(助産婦) 〒906−03 沖縄県宮古郡下地町字川満94 TEL098−076−6097

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日本語の刊行に当たり、多くの方々の協力を得ましたことを感謝いたします。

特に、音響映像グループメデイアセンダーのご協力、産婦人科医井手信先生の監訳の奉仕を心から感謝いたします。

ファミリーセンターでは

  1. 大切にしたい性といのちを正しく学ぶために
  2. 自然な家族計画「ビリングズ・メソッド」の普及と実践のために
  3. 幸せな家庭づくりのための
    • 結婚準備
    • 家庭生活刷新

上記のための研修会やセミナー、講演などを学校・職場その他で行なっています。

問い合わせ先

ファミリーセンター
〒815 福岡市南区皿山4−14−27
TEL092−541ー6207
FAX092−552−5022

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WHO(世界保健機構)が1981年、文化や社会、経済状況が異なる5か国で、多方面からの研究を行なった結果、このビリングズ・メソッドは正しく用いられれば、成功率97.8%というきわめて優れた効果が認められている。

また世界的な医学専門雑誌「The Lancet1995.7.」「Contraception1996.2.」でもビリングズ・メソッドを高く評価している。最も新しいデーターでは正しく用いられた場合の成功率は99%である。

ナチュラルウェイービリングズ・メソッドー

発行:1989年9月10日第1版
1994年6月1日第2版(改訂版)
1997年4月1日第3版(改訂版)
著者:アンナ・カペラ
訳者:ファミリーセンター
発行所:ファミリーセンター 〒815 福岡市南皿山4−14−27
TEL092−541−6207
FAX092−552−5022 
印刷:近藤印刷

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